生ゴミを肥料として家庭菜園に活かしてみませんか?
ゴミを削減し有機物をリサイクルしながら美味しい野菜を育てる生活って、ちょっと素敵ですよね!

しかも無農薬で病害虫に強い土壌づくりが出来るとしたら?

生ゴミを堆肥にするには、臭いや道具の問題で敷居が高く感じるかもしれません。
しかし実際に生ゴミを肥料として使っている筆者の父によれば、生ゴミ処理の機械は必ずしも必要ではないですし、EM菌を使えば簡単だし、家庭菜園やるなら絶対にオススメ!ということでした(^^)

そこで父に教わったEM(ボカシ)を使った生ごみ肥料の作り方をまとめました。

堆肥とEM菌について

堆肥とは

堆肥とは、有機物を完全に分解した肥料のことです。

堆肥のことをコンポストともいいますが、堆肥を作る容器のことを転じてコンポストと呼ぶ場合もあります。商品名としてコンポストが使われているからだと思いますが、本来は堆肥そのもののことです。

堆肥を作るには、有機物を微生物によって発酵、分解する必要がありますが、生ゴミを放っておけば当然腐りますので、わざわざ菌を入れなくてもいずれは堆肥に変わります。

堆肥の作り方として自然発酵による方法を紹介しているウェブページが多いですが、自然発酵とはいっても、悪い菌による発酵は腐敗です。

このページでは善玉菌のカタマリである、EM菌による方法に絞ってご紹介しています。

EM菌とは

EM菌(EM)とは、ある単体の微生物の呼び名ではなく、農業用に開発された乳酸菌や酵母などの集合体で、Effective Microorganisms(有用微生物群)の略です。

EM菌という菌はないので、正しくはEM、通称としてEM菌、と呼ばれています。
(以後、EMに統一)

世界的に利用されているEMですが、日本の比嘉照夫博士が開発したものです。

EMを使った生ゴミ堆肥のメリット

  • 家庭ごみ(生ゴミ)のリサイクル
  • 市販の化成肥料や堆肥購入の節約
  • 自治体からの補助金(自治体による)
  • 自然環境の保護
  • 病気、害虫に強い有機農業
  • ミミズがいっぱいのフカフカ土壌
  • 収穫量のアップ

素晴らしいですよね ^^
EMは農業だけでなく、幅広い分野で環境の浄化に使われています。

家庭用としては自然の消臭剤、掃除用洗剤としても使われているほどですので、生ゴミの臭いもそれほど気にならないです。

筆者の父が絶賛していたのも納得。

家庭菜園としては、農薬を使わず、微生物たちの働きによって病気から野菜を守り、収穫量アップが期待できるというのが魅力ですよね。

畑でもベランダ菜園でも、場所を取らないですし、簡単にできますよ。

では続いて、堆肥の作り方をご紹介します。

EMによる生ごみ肥料の作り方

用意する道具・資材

用意するものは、これだけです。

  • 容器
  • EMボカシ

最も早く臭いの心配もないのは、生ごみ処理機を使う方法ですが、機械は高いですよね。

私の父が使っているのは、生ゴミ発酵器と呼ばれる密閉容器で、液肥の取り出せるコックがついているタイプです。

普通のコンポスト容器は、バケツをひっくり返したような形状で土に置くタイプが多いですが、EMは嫌気性(密閉状態)のため、密閉ができて、水分を抜ける専用の容器が必要です。

例えばこんな商品です。

もうひとつ、生ゴミを分解する発酵促進剤(EMボカシ)。

EMボカシは、米ぬかとEMⅠ型、糖蜜、籾殻などで作れますが、高いものでもないので、購入で十分かと思います。

また普通のコンポスト容器は、出来上がった生ゴミ肥料を畑で堆肥化するのに使えます。
なくても大丈夫です。

EM容器の使い方、生ゴミ肥料の作り方

使い方は簡単。

処理としては生ゴミを容器で処理する過程(一次発酵)と、発酵した生ゴミを畑やプランターの土に還す2次発酵にわかれます。

一次発酵(生ゴミ肥料)

生ゴミを発酵容器にため、生ゴミを投入するたびにEMボカシを全体にふりかけます。

生ゴミは徐々に溜まっていきますが、生ゴミを入れるたびに、空気を含まないように内蓋などでギュッと押し付けてかためてください。

余分な水分は下部のコックから液肥としてペットボトルに取り出し、希釈用液肥として使用します。

生ゴミが溜まって2週間~1ヶ月ほど、1次発酵させます。

液肥は、1000倍に希釈して使います。
しかし実際には余るほど取れるので、濃いめに使うか、消臭剤として菜園以外の用途に使ってもいいかもしれません。

2基の容器を用意すると便利


上手に一次発酵・培養を進めるために、生ゴミ容器を2基、用意すると良いです。

つまり1基に生ゴミが溜まったら、2基目を使います。

生ゴミが貯まるのに、だいたい1ヶ月ほどかかるので、すでに満杯状態の1期目が、その間に密閉した状態で処理が進む、というわけです。

EMは善玉菌ばかりなので、正しく発酵がすすめば、それほどの悪臭は出ないはずですが、空気に触れると、一般の菌(カビなど)が増えてしまって腐敗臭が出てしまうこともあります。

上手に発酵が進めば、乳酸菌による酸っぱいような臭いになります。

逆に腐敗が進むと、腐敗臭がします。また黒カビが生えたりします。

白カビの場合は、気にせず使って大丈夫です。

腐敗させないためのコツ

EMを増やし堆肥作りを進めるには、生ゴミを入れる際に、出来る限り蓋を開けっ放しにしないことが重要です。

もう一つは、容器に入れる生ゴミの種類です。

入れるものは、基本的には野菜くずです。

野菜と言っても、豆類の繊維の固い鞘や、ナッツや固い種などは、入れないほうが無難。

また食べ残しでも、油を使った料理など、分解されにくいものも良くないです。
放置されていた食べ物なども、EM以外の腐敗菌がついていれば、逆に腐食が進んだり、カビが生えてしまったりします。

よく水を切って、大きいゴミは小さく切って入れるのがコツです。

EMで病害虫に強い土壌づくり


EMで1次発酵させた生ゴミを、畑やプランターで土と混ぜることで、堆肥にします。
畑の空いた場所や、プランター、コンポスターを使って土と混ぜるなり、土に埋めるなりします。

1ヶ月ほどで生ゴミ肥料が完全に分解され、肥えた土が出来上がります。

補助金について

購入したEM発酵容器、コンポスター、電気式の生ごみ処理機に対して、補助金がでる自治体が多いです。
制度や金額は自治体によって違いますので、お住いの自治体にお問い合せください。